サイトマップの種類
Webサイトがどのような構造であるかを示す「サイトマップ」には、XML形式で作られる「XMLサイトマップ」と、通常表示されるページのようなHTML形式で作られる「HTMLサイトマップ」の2種類が存在します。
両方とも、Webサイトがどのような構造を持っているのかがわかるように作られるものですが、XMLサイトマップはGoogleなどの検索エンジンを対象とし、HTMLサイトマップは実際にサイトに訪れたユーザーのために作成されるものです。
HTMLサイトマップは言わばユーザーに向けた「サイトの案内板」であるため、ユーザーの利便性を第一に考えて作ることになります。
そのため、HTMLサイトマップで表示するページ・表示しないページは自由に調整できます。
また、ユーザーの利便性向上によるSEO(検索エンジン最適化)の効果は多少あるかもしれませんが、HTMLサイトマップを作成すること自体がSEO上で大きく影響を及ぼすことはあまりありません。
対して、XMLサイトマップはサイトの構造を正しく検索エンジンの「クローラー」に認識してもらうために作るものです。
これには、公開されているコンテンツページだけではなく、カテゴリページやタグページなど、サイト上に存在する認識してほしいページすべてを記載しなければなりません。
そして、XMLサイトマップに記述される情報も、更新頻度や公開日時、階層ごとの優先度というように、検索エンジンが理解するためのものが必要となってきます。
ユーザーの利便性(ユーザビリティ)を高めるために設置するものを「HTMLサイトマップ」、検索エンジンのサイト認識(クローラビリティ)を正しく行ってもらうために作成が必要なものが「XMLサイトマップ」であると理解しておきましょう。
XMLサイトマップの作り方・書き方
XMLサイトマップを作成するには、直接コードを書き込んでいくか、自動生成ツールを使う方法のどちらかになります。
また、WordPressのプラグインにも自動生成できるものがありますので、こちらは後ほど紹介していきます。
では、サイトマップの構造を理解することにも繋がるため、まずは直接記述していく方法から解説していきます。
記述内容としては、下記の形が基本として、Googleから公開されています。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>http://www.example.com/</loc>
<lastmod>2005-01-01</lastmod>
<changefreq>monthly</changefreq>
<priority>0.8</priority>
</url>
</urlset>
最初の1列目は、XMLファイルを作成しているということを宣言し、そのバージョンを「1.1」に、その後に記載する文章を「UTF-8」で保存しているという内容になっています。
そして、その次の「urlset」から始まる構文は、どのXML Schemaに基づいているのかを指しています。
1列目・2列目の構文については基本的に上記をコピペするだけで問題ありません。
主に書き足していくのは、3列目の「url」から8列目の「/url」までの要素になります。これをひとつのセットとして理解しておいてください。
最初に、「url」で「ここから先の記述はサイトマップに記録するページのURLである」という指定をします。
その次が、実際にどのURLであるか(ロケーション:Location)を示す「loc」でサイトマップに記載したいURLを入力します。
以降の要素は記載しなくても問題ありませんが、この「loc」は必須の要素ですので、必ず記載するようにしましょう。
その次からはページに関する情報を記載していきます。
「lastmod」は最終更新日(Last Modify)、「changefreq」は更新頻度(Change Frequency)、「priority」は優先度(Priority)をそれぞれ指しています。
更新頻度については「月ごと(monthly)」や「日ごと(daily)」という内容を、優先度は「1」や「5」というように数値を入れていきます。
あまり更新頻度が少ないカテゴリページやタグページは月ごとの更新で優先度も低めに設定し、新しく公開したコンテンツページは日ごと更新の優先度高めにするなどの内容にすると良いでしょう。
英語から略された要素名になっているので、もし分からなくなった場合は日本語を英訳してみると理解しやすいかもしれません。
そして最後に、「/url」で記録するページ情報の入力が完了したという記述をします。
また次のURLを記載していく場合は、ここまでの流れを繰り返してください。
記載したいすべてのURLを記載したら、「/urlset」で閉じてXMLサイトマップの作成は完了です。
作成したサイトマップはFTPソフトなどでサーバーに接続し、サイト用のディレクトリにアップロードしておきます。
XMLサイトマップはこのように作られますが、プログラミング初心者だと内容を理解するのも一苦労でしょう。
Webサービスでサイトマップを作成してくれるものもありますが、サイトを更新するたびにまたサイトマップを作り直す必要があるので、多少の手間は残ります。
WordPressだとプラグインで自動的に生成・更新してくれるプラグインがあるので、基本的にはこちらを利用することをおすすめします。
WordPressで使えるおすすめの自動生成プラグイン
WordPressにはXMLサイトマップを自動で生成してくれる機能がありますが、この機能では「最終更新日」などの追加情報が記載されません。
そのため、プラグインを利用して、より細かな情報が記載されたサイトマップを作成する方が良いでしょう。
WordPressのXMLサイトマップ自動生成プラグインとしては、下記2つが有名です。
- XML Sitemaps
- All in One SEO(AIOSEO)
「XML Sitemaps」は以前「Google XML Sitemaps」と呼ばれていたプラグインで、XMLサイトマップの作成専用のプラグインです。
そして、「All in One SEO(AIOSEO)」はサイトマップ作成機能に加え、各投稿ページの可読性などを分析・評価する機能や、カノニカル(Canonical)設定機能など、サイトのSEOに関するあらゆることに対応できるSEO用のプラグインとなっています。
両方ともインストールして有効化した段階で自動的にXMLサイトマップを生成してくれるので、特に追加で操作する必要はありません。
基本的には片方を利用すれば十分ですので、「All in One SEO(AIOSEO)」をインストールして、サイトマップを作成することをおすすめします。
XMLサイトマップの確認方法
手動で作成して設置もしくはプラグインなどで生成したサイトマップを確認したいときは、サイトのトップページのURLに「sitemap.xml」と打ち込めば、ブラウザ上で確認することができます。
例えば、トップページが「https://example.co.jp」というサイトであれば、「https://example.co.jp/sitemap.xml」でXMLサイトマップが表示されます。
もし表示されない場合は、アップロードしたディレクトリが誤っているか、プラグインの不具合で生成されていない場合がありますので、アップロード位置や設定を確認してください。
XMLサイトマップの送信
作成したサイトマップを設置もしくはWordPressのプラグインで自動生成した後は、Googleにクローリングを促すために、「Google Search Console(サーチコンソール)」からサイトマップを送信することをおすすめします。
送信しなくともクローラーは回ってくれるのですが、その場合は時間がかかってしまう可能性があるので、なるべく早くインデックスしてもらえるように、サーチコンソールから送信しておくと良いでしょう。
サーチコンソールはGoogleアカウントがあれば、誰でもアカウントを作成できます。
アカウントを作成したら、自身のサイトを登録して、利用開始です。
Googleの公式でも「スタートガイド」が公開されていますので、こちらを参考に準備を進めましょう。
登録すると、マイページが表示されますので、左側メニューにある「サイトマップ」をクリックします。
すると、サイトマップを送信する画面に切り替わりますので、中央にある「新しいサイトマップの追加」という項目に「sitemap.xml」と入力してください。
入力すると、右側の「送信」ボタンがアクティブになりますので、そちらをクリックすれば完了です。
送信が完了すると、その下側にある「送信されたサイトマップ」に内容が表示されます。
正しく送信できていれば、こちらの「ステータス」という欄が「成功しました」となります。
「検出されたURL」にサイトのページ数が表示されるのですが、送信直後は「0」となっていると思われます。
これはクローラーが回ってから数値が変わっていきますので、もし数日経っても変わらないようであれば、再度送信してみましょう。
XMLサイトマップの更新について
先ほど紹介したWordPressのプラグインであれば、新規にコンテンツを公開する度にサイトマップには追加され、また送信も自動で行われます。
そのため、コンテンツを追加するごとにサーチコンソールからサイトマップを送信する必要はありません。
しかし、手動でサイトマップを作成・更新している場合は、その度に送信する必要があります。
ある程度まとめて公開した段階で送信するというのでも構いませんが、その場合はインデックスされるまでの時間も長くなってしまうので、基本的には都度更新して、送信するようにしましょう。
また、サイトを大きくリニューアルしたなどの状況である場合は、ドメインが変わっていなくともカテゴリ構造やページのURLなどは大きく変わっていることもあると思われますので、改めて送信しておくことをおすすめします。
XMLサイトマップの作成は必須!可能ならプラグインで自動更新を
XMLサイトマップはSEO上では必須のものであり、変更があれば都度更新していかなればいけません。
サイトマップの不備は検索エンジンのクローリングが正しく行われなくなることにつながり、サイトの評価が下落してしまう恐れがあります。
そのため、WordPressでサイトを作成し、プラグインによる自動更新で、サイトマップの未更新が起きてしまうというリスクを回避するようにしておきましょう。
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