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第4話 束の間の休息

月で一番大きな歓楽街へ出かける者、家族の元へ帰る者、休日の過し方はそれぞれである。  だが俺には行きたいところも特に無かった。  長距離航海の予定もなく、物資の買い出しも必要ない。  加えて唯一の寝床とも言える艦内に留まることを禁止さ...
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第3話 火星艦隊襲来

 月の裏側では第十七艦隊と第十三艦隊がそれぞれ集結をしていた。  敵の数は2個艦隊、こちらの守備艦隊もおおよそ同数。  敵援軍の可能性、陽動作戦の可能性を考慮すると月基地から出し得る最大戦力であった。 「第十三、十七艦隊は月軌道より3...
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第2話 戦術論

 灯りのない薄暗い廊下を進んでいく。  提督の靴が地面を蹴るたびに甲高い音を鳴らしている。  長い廊下の先には一枚の気密式の扉があった。 「――こちらです」  そう言うと案内として先導していた若い男性が扉を開いた。  提督と共に開...
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第1話 戦う敵は同じ人類

 銀河系の辺境の地、西暦2700年となっても人類は太陽系から勢力圏を拡大できずにいた。  地球外への移民を模索するも、生息可能惑星までの距離はあまりに遠く、人類が住む星は地球と、テラフォーミングによって人が住めるようになった火星と、いくつ...
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第6話 自分にできること

 翌日のことだった。  俺が目を覚ますと隣では多慈美がまだ眠っていた。どうやらまだ寝ているようだ。そんな多慈美を見ているとふと昨日のことが頭をよぎった。  昨日俺はゴブリンに全く歯が立たなかったのである。  一人で倒したのは不意打ちに...
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第5話 アキツグの成長

 次の日の朝、朝食を取り終え支度を済ませると玄関へと向かった。  外ではすでに多慈美が待っていた。どうやら先に支度を終え俺のことを待っていたようだ。  昨日とは打って変わって上機嫌に見える彼女に声をかける。  しかし彼女は俺に気づくこ...
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第4話 装備調達

 目が覚めると昨日に続いて、日は顔を出していなかった。  今日は多慈美がドアから飛び出てくることもなく、疲労感が残る感触はあるが気持ちの良い目覚めである。  昨日の夜はシャワーを浴びることもなく寝てしまい、着ている服が肌に纏わりつく感触...
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第3話 アキツグ強化

 翌日、バン! と大きな音とともに部屋の扉が開け放たれる。  何事かと思い俺はベッドから起き上がると、 「さあアキツグ! 朝食を作るわよ!」  と勢いよく多慈美が入ってきた。 (朝っぱらから元気だなぁ)  寝ぼけ眼でそんなことを思...
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第2話 ステータスオープン

 翌日、目を覚ますと見慣れない天井が目に入った。 「そうか……昨日からここに住んでいるんだったな……」  寝ぼけ眼をこすりながらベッドから降りるとカーテンを開ける。  窓の外では太陽が昇り始め、街を明るく照らし始めていた。  過...
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第1話 追放と出会い

「――あんたなんかいらない」  全身を黒いローブに見を包み、顔まで隠された女性は、一人の痩せた男にそう告げた。 「そんな……どうして! 今まで一緒にやってきたじゃないか! 困っている人を笑顔にし、不毛の土地を緑豊かに変え、人々の為に最後...
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