どのようなときに一括で修正・変換することになる?
ホームページを公開している際にはさまざまなタイミングでコンテンツの修正作業が必要になることがあります。
数ページ程度であれば、ひとつひとつを手作業で行うのでも問題ありませんが、サイトの規模が大きくなるにつれて、修正作業に時間がかかるようになっていきます。
そのため、修正作業を効率的に進める方法については理解しておくと便利です。
特にWordPressではサイト全体の文字を検索し、一括で置換・修正することができるプラグインがあるため、修正が今後必要になる可能性が高いサイトを運営するのであれば、WordPressでのサイト作りがおすすめです。
ではまず、実際にどのようなシチュエーションで一括修正が必要になるのか、いくつか例を紹介しておきます。
広告掲載時に商品名や金額などが変わったとき
アフィリエイトなど、広告を掲載することで収益を上げているサイトの場合、商品名や値段、機能などの概要を記載していることが多いと思います。
レビューページであれば、その商品ひとつだけを紹介するに留まりますが、商品を比較したページであったり、ユーザーの悩みを解決するページで紹介していたりすると、さまざまなページに同じ商品の広告を掲載しているということもあるでしょう。
例えば、テンプレートで管理し、どのページにも同じ形式で表示させる方法を取って作業の手間を減らすということもできますが、よりユーザーに詳しく・分かりやすく解説するために、それぞれのページで独自に紹介文を作成している人もいるかもしれません。
商品の金額や概要、名称が変わった際には、広告を掲載しているすべてのページが修正対象となります。
ただ、上記のような記載方法を行っている場合、記載を行っているであろうページを全部目視で確認し、ひとつひとつ修正していかなければなりません。
また、商品公式ページに移動した際に、これまで見ていたページでの紹介内容と齟齬があり、ユーザーが購入・申込に至らなくなってしまうなど、誤った情報のままでいることによるリスクも存在します。
このように、大量の修正作業を迅速におこなわなければいけないことがあるため、サイト全体を一括で修正できるようにしておくことが得策だと考えられます。
リンクURLが変更したとき
別のコンテンツへの回遊を促すためにサイト内リンクを設置したり、より正確な内容であることを示すために参考としたサイトへの外部リンクを載せたりと、URLを記載することもあるでしょう。
内部リンクについては、飛び先の記事URLを変えただけであれば、リダイレクトすることで修正対応することも可能です。
しかし、記事を削除した場合には、その内部リンクも同様に消去する必要があります。
外部リンクについてはその先のサイトが閉鎖したり、ページ自体が削除されてしまったりすると、リンクエラーとなって、サイトの評価・ユーザーの利便性に悪い影響を及ぼします。
広告情報の修正よりはそこまで数も多くなることもないとは思いますが、逆に少ないことで「どのページにリンクURLを記載したのか」を見つけにくく、探す手間が増えてしまう可能性があるでしょう。
こういった場合にも一括修正で対応してしまった方が効率的です。
WordPressの文字を一括で変える方法
先ほど軽く触れましたが、WordPressには文字を一括で置換できるプラグインがあります。
使用されていることの多いプラグインは「Search Regex」と「Better Search Replace」の2つになります。
それでは、この置換プラグイン2種について、使い方と注意点を解説していきます。
なお、どちらのプラグインも置換処理が済んでしまうと、置換前の状態に戻すことはできません。一度バックアップを取ったうえで作業するようにしましょう。
Search Regexの使い方
WordPress管理画面にある「ツール」メニューから「Search Regex」を選択すると、専用の入力画面が表示されますので、それぞれの項目を入力していきます。
まず、「検索」の箇所には、修正したい文字列を入力します。
Search Regexは「正規表現」での検索が可能なので、もし正規表現で検索するのであれば、青枠の箇所にある「検索フラグ」で正規表現ができるように項目へチェックを入れておきましょう。
Search Regexの検索で使用できる正規表現は次の通りです。
正規表現 | 説明 |
---|---|
. | 任意の1文字に合うもの |
* | 直前の文字の0回以上の繰り返し |
=+ | 直前の文字の1回以上の繰り返し |
? | 直前の文字の0回か1回の繰り返し |
.* | 全ての文字にマッチ |
.*? | 全ての文字にマッチ |
[] | []内のいずれか1文字にマッチ |
() | ()内の文字をグループ化 |
{n} | 直前の文字のn回の繰り返し |
– | 連続した文字の並びを省略 |
| | いずれかの条件(OR条件) |
^ | 直後の文字が行頭にある場合 |
$ | 直前の文字が行末にある場合 |
\d | 全ての数字にマッチ |
\w | 全ての英数字とアンダーバー |
\n | 改行 |
\s | 半角空白 |
\ | 直前の正規表現をエスケープ |
なお、URLやHtmlタグを置換する際には正規表現のチェックを外しておくことをおすすめします。
正規表現が検索できる状態だと、タグの記号などが正しく検出されなくなってしまいます。
「置換」の箇所には修正する先の文字列を入力します。
「検索」と「置換」が逆にならないよう、注意してください。
「入力元」は、サイト内のどのページを検索・置換の対象とするかを選ぶ項目です。
初期状態では「投稿ページ」と「固定ページ」が対象となっていますが、カテゴリなど別のページも対象とする際は、下矢印をクリックして追加していきます。
最後に「検索」もしくは「すべて置換」のどちらかをクリックします。
「検索」をクリックした場合は、その下に対象となる文字列がどれだけあるのかが一覧表示されます。
「すべて置換」をクリックすると、検索結果が表示されずにそのまま置換処理が進められるので、不安な場合は「検索→すべて置換」の順でクリックするようにしましょう。
以上がSearch Regexの使い方になります。
Search Regex使用時の注意点
Search Regexは検索時に、実際にどの記事においてどの箇所にあるのかを視覚的に確認できるため、非常に便利なプラグインですが、PHPのバージョンによって使用できないことがあります。
現在ではPHPバージョン7.4まで対応しており、最新バージョンである8.0だと有効化することができません。
この場合は後述する「Better Search Replace」を代わりに使うようにしましょう。
開発もそこまで早くなく、2022年5月現在でも最終更新日が「1年前」と表示されているため、いつ対応できるバージョンが発表されるかも定かではありません。
そのほか、他のプラグインとの相性が良くなく、エラーが生じることも多いです。
この場合は干渉しているであろうプラグインを停止し、Search Regexを稼働させることで対処可能です。
機能面では優れているのですが、さまざまなエラーが生じたり、PHPのバージョンによって使用が限られてしまうことがあることには注意しておいてください。
Better Search Replaceの使い方
Better Search Replaceを使用する際も、Search Regexのときと同様に「ツール」から選択します。
選択すると、下図のように表示されるので、こちらも同じく「検索」と「次と置換」にそれぞれ該当する文字列を入力します。
そして、「テーブルを選択」の項目をすべて選択してください。
Search Regexのように項目を選べる形ではなく、データベースの名称になっているため、ひとつずつ選んでいくのは難しいでしょう。
ただ、全選択でも問題ありませんため、すべて選んでしまうことをおすすめします。
そのまま下にスクロールしていくと、3種類の設定項目が表示されます。
こちらは基本的に変更不要ですが、「Run as dry run」の項目のみ、状況によって操作が必要です。
初期ではチェックがついており、この状態だと置換が行われずに検索のみが行うことができます。
チェックが外れていると、そのまま置換処理に進みます。
まず、チェックをつけた状態で検索のみ行ってみましょう。
このまま「検索/置換の実行」と書かれたボタンをクリックします。
実行すると、ページ読み込みが起きた後、上部に英文が追加されます。
ここにある「Click here」というリンクをクリックすると、検索結果の詳細がポップアップで表示できます。
結果の詳細は下図の通り、「検出数」や「更新行数」、そしてかかった時間の「時刻」のみ閲覧でき、検索時には「検出数」のみがカウントされています。
そして、チェックを外した状態で、同じように「検索/置換の実行」をクリックすると、検索のみと同じ表示がされますが、今度は「更新行数」がカウントされるようになります。
Better Search Replaceで行う作業はこれで完了です。
あとは、実際に置換されているかは対象のページを目視で確認するようにしてください。
Better Search Replaceの注意点
Better Search ReplaceはSearch Regexとは異なり、無償版では詳細な検索結果が表示されません。
該当するページはどこか・該当する単語はいくつあったかというのは数字でわかるのですが、実際に記事内のどの部分が置換されるのかを確認するには、有料版を購入する必要があります。
また、「正規表現」による検索を行うことも、有料版でのみ可能となっています。
正規表現であれば、表記ゆれや複数条件の置換もまとめて行うことができるのですが、無償版ではそれができないため、正確な単語のみの置換のみになります。
最低限の置換機能を持つプラグインであると理解しておいた方が良いかもしれません。
便利な一括修正、ただ慎重な作業とバックアップを心がけて
WordPressであれば、サイト内を一括で修正することはプラグインを用いることで簡単にできます。
作業が発生する可能性は決してゼロではないので、手間を考えれば、まずWordPressでサイトを作成しておくことが良いでしょう。
ただ、一括修正は便利な反面、ミスが起こると余計に作業が増えてしまうという危険性があります。
例えば、誤った文字列を入力したことで検出時に直したくない文字まで置換してしまったり、予定していないページの文字まで変わってしまったりということもあるでしょう。
そのため、一括修正を行う際には慎重に作業を行うことと、置換前のデータを必ずバックアップしておくことをおすすめします。
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